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糖尿病

糖尿病の始まりのサインは?
糖尿病が疑われる症状

糖尿病が疑われる症状

糖尿病は他の生活習慣病と同じように動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)などの重大な疾患のリスクを高めます。さらに、糖尿病は毛細血管や神経にもダメージを与えるため、失明、腎不全や足の壊疽などを発症させる糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害といった、重篤な合併症を引き起こす危険性もあります。また、免疫力の低下により、感染症の発症や重症化のリスクも上昇させます。

糖尿病はある程度進行してから症状が現れるため、以下の症状が見られた場合は、お早めに当院までご相談ください。

  • 喉の渇きや水分摂取量の増加による多飲
  • 尿量や排尿回数の増加による多尿
  • 食事や運動は普段通りなのに急激に体重が減った
  • 疲れやすさや全身倦怠感
  • 目のかすみ
  • めまいや立ちくらみ、ふらつき
  • 手足のしびれ・痛み・冷え
  • 尿の泡立ち
  • 性欲の減退

平井駅徒歩5分の
田中医院の糖尿病診療

糖尿病内科

当院では糖尿病に対する診療を行っており、現在の状態に考慮した最適な治療をご提案しながら、患者様との相談をきめ細かく行った上で、治療方針を決定しています。糖尿病治療において重要となる生活習慣の改善についても、患者様のライフスタイルに最大限考慮しながら、無理なく継続できるよう配慮しています。
糖尿病は長期的なコントロールが必要な疾患であるため、当院では、患者様一人ひとりに合わせた診療を徹底しております。「こんな悩みを言ってもいいのかな…」と遠慮せず、どうぞ安心してご相談ください。

1型糖尿病と2型糖尿病

1型糖尿病

インスリンを分泌する膵臓には、膵ランゲルハンス島β細胞があります。この細胞が自己免疫異常によって攻撃され、インスリンの分泌ができなくなる疾患が1型糖尿病です。感染症などが原因で発症することがあり、小児や若年層でも発症するケースが少なくありません。主な治療法は、インスリンの不足分を注射で補うインスリン療法です。

2型糖尿病

2型糖尿病は、遺伝的な素因に加え、食生活の乱れや運動不足、ストレスなどの生活習慣によって発症・進行する疾患です。インスリンの働きが低下するインスリン抵抗性や、インスリンの分泌量が減少することによって血糖値の調整が上手くいかなくなります。
加齢とともに発症率が高まる傾向がありますが、近年では比較的若い世代での発症も増加しつつあります。日本人を含む東アジア系の民族は元々インスリンの分泌能力が低い傾向があり、肥満に当てはまっていなくても糖尿病の発症リスクが高いので、特に注意が必要です。

2型糖尿病の治療

糖尿病を根治させる治療法は未だに確立されていません。しかし、血糖値を正常な範囲に維持することで、動脈硬化の進行や合併症の発症を抑えることは可能です。2型糖尿病の発症や進行には生活習慣が深く関わっているため、患者様の状態やライフスタイルに合わせた生活習慣の見直しが必須です。当院では、できる限りストレスを最小限に抑えながら高い効果が得られる方法を、患者様と二人三脚で考えながら治療を進めています。
また、糖尿病になりやすい生活習慣は、高血圧や脂質異常症の発症・進行にも関係しているため、生活習慣の改善を続けていけば、これらの疾患の予防にも期待できます。

その他の糖尿病

糖尿病の中には、遺伝子異常や糖尿病以外の疾患、薬の副作用などが原因となって高血糖や糖尿病を発症するケースがあります。具体的に言えば、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞に関する遺伝子異常や、インスリンの働きを伝達する機能に関わる遺伝子異常によって糖尿病が引き起こされることがあります。
また、内分泌系(甲状腺・副腎・下垂体)疾患、膵外分泌疾患、肝臓疾患、感染症などの他の疾患によって高血糖が生じる場合があります。さらに、ステロイドやインターフェロンなどの薬剤により、副作用として高血糖が現れることもあります。こうした場合には、原因となる疾患の治療や、薬の処方そのものの変更・調整を行います。

糖尿病が悪化している?
糖尿病の三大合併症

糖尿病は初期には自覚症状がほとんどないため、放置されやすい疾患ですが、高血糖の状態が長期間続くと、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中などの重大な疾患を引き起こすリスクが高まります。また、高血糖は細い血管や神経にも継続的にダメージを与えるため、深刻な合併症を発症することがあります。
中でも「糖尿病神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」は、糖尿病の三大合併症と呼ばれており、進行すると失明や足の切断、人工透析が必要になるなど、生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。糖尿病は早期発見と適切な治療が重要ですので、健康診断などで高血糖や糖尿病の疑いを指摘された場合は、できるだけ早めに当院までご相談ください。

糖尿病神経障害

糖尿病神経障害糖尿病神経障害は、高血糖によって神経が障害されることで生じる合併症です。比較的早い段階で自覚症状が現れることが多いため、疑わしい症状がないかチェックすることが大切です。初期には、手足のしびれやピリピリとした痛み、冷えなどの感覚異常が見られます。外傷やヤケドの痛みを感じにくくなったり、傷の治りが遅くなることで気づく場合もあります。進行すると、立ちくらみやふらつき、筋力の低下、筋萎縮、発汗異常、吐き気・嘔吐・下痢などの消化器症状を含む自律神経障害が現れることがあります。さらに重症化すると、足の痛みや温度を感じられなくなり、潰瘍を繰り返して壊疽を起こし、最終的には足の切断に至ることもあります。

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症は、高血糖の影響で目の奥にある網膜の毛細血管が障害されることで起こる合併症です。網膜には、光の刺激を受け取る視細胞が密集しており、これらの視細胞が受け取った情報は、電気信号に変換され、視神経を通じて脳へと送られます。この重要な機能を支えるために、網膜には細かい血管が張り巡らされています。
しかし、血糖値が高い状態が続くと、これらの毛細血管が損傷を受け、眼底出血や浮腫、網膜剥離などの障害を引き起こします。これにより、視力が大きく低下したり、最悪の場合は失明に至ったりすることもあります。実際、日本人の中途失明の原因としては、糖尿病網膜症は緑内障に次いで2番目に多く、十分な注意が必要です。
糖尿病網膜症は、初期にはほとんど自覚症状がないため、症状が進行してから気づくケースが少なくありません。そのため、糖尿病と診断された方は、重篤な視力障害を防ぐためにも、定期的に眼科を受診し、眼底検査などを受けることが大切です。

糖尿病腎症

糖尿病腎症は、高血糖の影響で腎臓の毛細血管が障害されることで起こる合併症です。腎臓は、血液を濾過して尿を作る重要な働きを担っており、毛細血管が特に豊富な臓器です。そのため、高血糖によるダメージが蓄積しやすく、長期間にわたって血糖値が高い状態が続くと、腎機能が徐々に低下していきます。
進行すると腎不全を発症し、人工透析や腎移植が必要となる場合もあります。実際、日本では人工透析が必要となる原因疾患の中で、糖尿病腎症が最も多いとされています。
糖尿病治療を受けている方は、腎機能の低下を早期に発見し、進行を防ぐためにも、定期的に尿検査や血液検査を受けて腎機能を確認することが重要です。

その他の合併症

糖尿病は様々な疾患の発症・悪化リスクを高めることが知られています。高血糖状態が続くことで脳卒中(脳梗塞や脳出血、くも膜下出血)、心筋梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症、歯周病、感染症などにかかりやすくなります。

糖尿病の検査

糖尿病の検査血液検査による血糖値やHbA1c(ヘモグロビンA1c)の測定を行います。これらの数値を確認することで、現在の血糖コントロールの状態を把握することができます。

一般的な健康診断でも同様の項目が検査されるため、血糖値やHbA1cの結果で高血糖を指摘された場合には、たとえ自覚症状がなくても、早めに医療機関へ相談することが大切です。
また、糖尿病と診断された後も、定期的に血糖値やHbA1cを測定し、血糖値が正常範囲に維持されているかを確認するよう心がけましょう。

血糖値

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度を示す指標です。ただし、血糖値は食事や活動によって大きく変動するため、測定タイミングによって結果が異なります。
糖尿病のタイプによって、血糖値が上昇するタイミングも異なります。例えば、食前に上昇するタイプ、食後に上昇するタイプ、またはその両方で上昇するタイプがあり、さらに食事によって急激かつ大幅な血糖値上昇を引き起こすケースもあります。
そのため、適切な血糖コントロールを続けるには、空腹時血糖値だけでなく、食後血糖値も併せて確認するよう心掛けましょう。

HbA1c

HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)は、赤血球中のヘモグロビンにブドウ糖が結合したもので、過去1〜2ヶ月間の平均的な血糖値を反映する指標です。血糖値が一時的な変動を示すのに対し、HbA1cは長期的な血糖コントロールの状態を把握するのに適しています。
健康診断などでHbA1cの異常が指摘された場合は、症状がなくても速やかに医療機関を受診することが重要です。特にHbA1cが5.6%以上の場合は糖尿病予備群の可能性があるとされ、生活習慣の改善によって発症を予防することが可能です。
HbA1cの値が高い場合は、高血糖の状態が長期間続いていることを示しており、糖尿病の早期発見だけでなく、治療の効果判定や合併症リスクの評価にも役立ちます。定期的な測定を通じて、血糖値の安定を図り、合併症の予防につなげましょう。

糖尿病の治療

糖尿病治療まずは基本となる食事療法と運動療法から始めます。これらの方法で十分な血糖コントロールが得られない場合には、薬物療法を併用することになります。薬物療法には、内服薬による治療とインスリン療法があり、患者様の病状や生活状況に応じて適切な方法が選択されます。

ただし、食事療法や運動療法は継続することが何よりも重要です。無理なく続けられることが、治療効果を高める鍵となります。当院では、患者様ができるだけストレスなく取り組めるよう、個々のライフスタイルに合わせた方法を一緒に考えています。

食事療法は、まずは無理のない範囲から始め、少しずつ改善を積み重ねていくことが大切です。運動療法についても、「やや早足の散歩を1日30分以上」など、日常生活に取り入れやすい内容にすることで、継続しやすくなります。
なお、運動によって筋力が強化されると、血行や代謝が改善され、インスリンの働きが向上する効果も期待できます。これにより、血糖値の安定にも繋がります。